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AIライターに取材してもらいたいですか?

自然な会話ができるAIロボットを作るには、人の心のメカニズムを解明して、それをプログラム化しなければならない。と独自の視点でAIの研究開発に取り組むロボマインドの田方篤志(たかた・あつし)さんを取材したことがきっかけでAIの弱点がよく分かりました。現在主流のビッグデータから適切な単語をチョイスする手法では、いくら情報量を増やしたところで、生身の人間とするような何気ない会話はできません。テキストで質問すると、人ような回答をテキストでしてくれる話題のアプリ「ChatGPT」も同じ手法です。テキストでのやり取りは、会話ほど違和感はありませんが……。

冒頭からずぶの素人がAI批判をするような書き方になってしまいましたが、仮にAIロボットが生身の人間と区別がつかないほど自然な会話をするとして、そんなAIライターに取材されて記事にしてもらうのと、人間のライターさんに取材されて記事にしてもらうのとでは、どちらがいいですか?

「一体なにを言っているの? 意味不明」そんな声が聞こえてきそうです。

AIロボットは、ある意味、ミッキーマウス

先述したようにAIはビッグデータを機械学習し、傾向をつかんで、この単語この表現が来たら、この単語この表現で返す、文字通り機械的に判断しており、私たち人間のように感じたり考えたりしている訳ではありません。私たちがAIの的確な回答に、「このAIロボット、賢いなあ」と感じるのは、私たちが勝手にAIは人間と同じ思考だと誤認しているに過ぎません。まさに私たちはAIに幻想を抱いているのです。

例えるなら、子どもがサンタクロースやミッキーマウスが実在するのを信じるように、私たち大人はAIロボットが人のような人格をコンピューターによって形成されているものと信じているのです。

改めて問いますが、人格のない、機械の塊に過ぎないAIライターに取材され、記事を書いてもらいたいですか?

人間ライターは取材対象者と「心の交流」ができる

ライターをしていて一番の喜びは、手がけた記事を読んだ読者から「とても参考になった」「この記事を読んで救われた」そんな高評価の反応や、手がけたコピーライティングがクライアント企業、依頼者(広告制作会社など)から喜ばれることは察しがつくと思います。それと同じくらい、それ以上に取材対象者からの感謝の言葉ほど、ライターにとってうれしいことはありません。

私も取材したことがご縁になって、良きお付き合いをさせてもらっている方が何人かいます。「本当に上手く私の真意をひも解き文章化しくれた」「あなたの質問に受け答えしているうちに、自分の考えがまとまった」など、取材対象者にとってライターが人生の恩人になることもあります。

「あの人は、私の気持ちをよく理解してくれた」ライターと取材対象者の「心の交流」、これはライターにとっても、取材対象者にとってもかけがえのない経験です。お互いの人格に敬意を表し合うからこそ生まれる感情です。

ここまで書けば私が何を言わんとするかご理解いただけると思います。人格のない(人格をプログラム化されていない)AIライターではこんな「心の交流」はできませんし、ビッグデータから機械的に言葉をチョイスしている訳なので、取材中、取材対象者の心に一瞬宿った、言葉の裏にある感情や思惑をくみ取ることはできず、そのことについては一言も言及できません。

それでも、AIライターに取材してもらいたいですか?

【参考記事】
「ロボットに心を」ノーベル賞級の開発に挑む、神戸の小規模IT社長
https://maidonanews.jp/article/14494474

【関連ブログ】
ライターがAIに仕事を奪われるなんて時期尚早
https://www.writer.co.jp/aijikishoso/

 

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