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ライター的ボイスレコーダーの使い方

ボイスレコーダーはインタビュー取材に欠かせませんが、私がライター業を始めた2000年代前半は必ずしもボイスレコーダーを使うことはありませんでした。私に限って言えば、情報誌の店取材など数百字の原稿を書くのにボイスレコーダーを使うことはありませんでしたし、当時はそれが普通だと認識していました。現在、ボイスレコーダーを持たずに取材に臨めば取材対象者や仕事の依頼者からひんしゅくを買うことになります。

2000年代前半のデジタルボイスレコーダーの音質は悪く聞き取りづらかったために、アナログな携帯用テープレコーダーを使用している人もいました。音声データをパソコンに落とすことなく、ボイスレコーダーやテープレコーダーにイヤホンをさして文字起こしをしている人をよく見かけました。

当時と比べて、最近のボイスレコーダーの音質は肉声よりもクリアで、パソコンに接続すれば自動的にパソコンに取り込んでくれます。文字起こしアプリを使えば、音声データを活字化してくれ、文字起こしの作業は以前ほど骨の折れる仕事ではなくなりました。それに加え、現在は“記録社会”という名の監視社会です。ライターの書いた記事にとどまらず、SNSなど個人的な投稿でさえも情報の正確性が求められ、誤った情報や解釈は格好のバッシングの的にもなることからもインタビュー取材にボイスレコーダーは欠かせません。

取材対象者のセリフを安易に使うのは素人仕事

ライターが正確性を求められるのは当然のことで、それを助けるボイスレコーダーが必需品であることは尤もなことです。しかし、ボイスレコーダーに頼り過ぎることは、自らライターという職業をおとしめる行為にほかなりません。

例えば、インタビュー取材の音声を文字起こしアプリで原稿化し、重複した内容や不要な内容を削除し、それを生成型AIで規定の文字数、趣旨に則した内容になるようプロンプトに打ち込んで原稿を完成させたとします。尤もらしいQ&A形式の記事になることでしょう。しかしそれは最早ライターの仕事ではありません。デジタルディバイスを日常的に使っているビジネスパーソンであれば記事を完成させることができます。たとえ生成型AIに頼らなくても、文字起こしアプリの原稿を土台に削除したり、語尾を変えたり、適当に編集すればそれらしい記事になり得ます。

ボイスレコーダーに頼り過ぎる原稿とは、程度の差こそあれ、取材対象者の発したセリフをそのまま記載するようなことを意味し、他人事として済まされないライターさんもいることでしょう。「取材対象者の発したセリフをそのまま使うな」と言っている訳ではありません。記事にするうえでそれが最適ならもちろんそれを採用すべきですが、熟慮せず安易に採用するようではプロと言えません。

ライターの執筆とは、インタビュー取材で得た内容を熟慮し、(取材執筆の)依頼者の指示や考えに基づき、読者が興味を持ってより良く理解できるよう咀嚼することで、この工程こそが最も重要なライター業務とも言えます。

取材対象者の言葉足らずなセリフこそ原石が潜む

私事で恐縮ではありますが、私は基本文字起こしをしませんし、原稿を書く前にボイスレコーダーの音声を聞くことはありません。取材後、相手から聞いた内容を何度も頭の中で思い出し、印象に残ったことをたよりに頭の中でいろいろと想像し、ドラマチックに組み立て、一つの物語を作ります。

ドラマチックに組み立てるとは因果関係を明確化し話に抑揚をつけるという意味で、物語を作るとは情報を整理し、不要なものは削り、言葉足らずなところを補足することです。「言葉足らずなところ」にこそ記事を面白くする要素があります。さらに構成を考えたうえで執筆に取りかかります。順番は関係ないですが、これらのプロセスが一つでも欠けるとビジネスパーソンが書いた記事や議事録のようなものになってしまいます。

それでは何のためにボイスレコーダーを使うのか? 原稿を一通り完成させた後に、情報に誤りはないか? 誤認はないか? 大切なことが抜けていないか? 行き過ぎた咀嚼をしていないか? これらを確認することにボイスレコーダーを使うのです。

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