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ライターと依頼主の最適なマッチング、それがコンテンツを特別なものにする鍵です。案件特性を考慮の上、最も相応しいライターを選抜・手配し、納品までワンストップでお手伝いします。

ライターの役割は文章をうまく書くことではなく、依頼者の要望を満たす文章を考え出すこと

自社のホームページや会社案内、広報誌や社内報などの文章作成をプロのライターへ外注せず、作文が得意な自社スタッフに本来の業務の合間を縫ってしてもらっているという会社は少なくないと思います。最近では、社内で発生する執筆業務の専門スタッフを採用するケースも見られます。文章にこだわりがあればあるほど、代わり映えしない月並みな内容やトーン、反響が少ないことを理由にろくに分析もせず、「餅は餅屋」とプロのライターに頼めば文章が垢抜け、良い反響が増すんじゃないかと勝手な想像をついしてしまいます。

そもそも文章に良い悪い、うまい下手は無いと私は考えます。日本語が正しい文章、正しくない文章。語彙(ボキャブラリー)が豊かな文章、貧しい文章。これらの違いは明白で、読書家でなくとも判別できますが、文章の良い悪い・うまい下手は人それぞれの好き嫌い、個人の価値観に委ねられるところが大きいです。一定のクオリティに達した文章に優劣をつけるのは非常に難しく、それはプロといえども同じです。それを痛感したエピソードを一つ紹介します。

年齢・性別・ライフスタイル・価値観によって文章の好みは異なってくる

以前、起業を目指す女性を対象とした文章作成に関するセミナー講師をした際の出来事です。私たちプロのライターの世界では、客観的で具体的な内容の文章が求められます。いっぽうライターでない一般の人々は、作文が得意不得意に関わらず主観的で抽象的な内容の文章を書きがちです。情報伝達の観点からいえば、前者のほうが断然読みやすく、説得力もあります。セミナー参加者に、私が用意したそんな2種類の文章を読んでもらい、どちらの文章が良く、どちらの文章が悪いかを考えてもらいました。

正直100%に近い人が前者を良いと判断すると思っていましたが、いざ蓋を開けてみると後者を良いと判断する人が3割ほどいて、非常に戸惑った記憶があります。私が良いと考えた客観的で具体的な書き方は人によっては冷たく感じるそうで、逆に主観的で抽象的な書き方は温かみが感じられるというのです。前者は偏りなく公平にきっちり伝えることが目的で、情報を正確に伝え説得力ある書き方なのですが、人によっては冷静すぎる(=温かみがない)印象を与えるのです。良くない例として自作した文章を「良い文章」と思う人が多数いたことは、私にとってまったくの想定外で「客観的で具体的な書き方が良いこと」を解説する必要性が生まれ、かなり戸惑いました。参加者が私と同世代の男性ビジネスパーソンや経営者の方たちなら、私の思惑通りの結果になったのではと考えます。

文章の良し悪しは、大作家でも分かり兼ねる

大阪を代表する小説家で放送作家の藤本義一さんと生前にお話しする機会がありました。出版・広告関係者のみならず、一般の企業や個人にライターの手配および文章作成・添削を提供する弊社のビジネスモデルについて説明したところ、「文章の良し悪しなんて誰にも分からないので、このビジネスを成功させるのは非常に難しい」と一蹴されたことをよく覚えています。その頃はまだ創業間もなく、藤本さんが指摘する本当の意味を理解できず、プロのライターとして客観的で具体的な文章さえ提供していけばビジネスとして成り立つと安易に考えていました。

自社の情報発信媒体を社内で執筆している場合、主観的で抽象的な文章になっているだけでなく、同じ情報を(意図せず)違う表現で何度も繰り返す無意味な重複なども多く、読み手にとってまどろっこしく、また要点を得づらく内容が頭に入って来ません。そんな文章をプロのライターにリライト(添削)してほしいという依頼ならお手の物なんですが、そんな都合のいい依頼ばかりが来る訳でもありません。

原文があって、それをリライトするならビフォアー・アフターとして比較してもらうことができますが、一から文章作成をする場合、比較対象がなく完成した文章を依頼者にどう評価されるか、ライターにとって気が気ではありません。そもそも依頼者自身、どんな文章を求めているのか自社(自分)の判断基準がないところも多いです。

相手の要望に応えるライティングこそプロの仕事

それでは、プロの書き手としてライターは何をすべきでしょうか?

その答えは、「依頼者の要望に耳を傾けて、それに応える」この一言に尽きます。これがプロの書き手の使命というか本質です。原文を「端的に分かりやすい内容・表現にしてほしい」という少々漠然とした依頼も実際少なくありません。それが依頼者の要望なので、その言葉どおりにすれば何の問題もないのですが、プロの書き手として依頼者とコミュニケーションを重ね具体的な要望を引き出し、それを文章化したいところです。

例えば、「原文は業界関係者にはよく理解できるが一般消費者には少々難解なので、一般消費者がよく理解できる内容・表現にしてほしい」と依頼者から要望があった場合、ライターはそこでコミュニケーションを終えず、「読者ターゲットを一般消費者にするなら、業界における御社の立ち位置、業界の変遷などは不要では?」などと質問や提案、言葉のキャッチボールを繰り返し、少しでも依頼者の真の要望に近づくことで、依頼者にとって価値ある文章を提供することができます。価値あるサービス(文章作成の提供)にするには、依頼者自身も気づいていない真の要望を依頼者から引き出すヒアリング力、その意識がライターには大事です。

先述したように、依頼者は自社(自身)の要望を把握していないことが往々にしてあります。冒頭で述べたように、自社で作成した文章に不満があるものの、どうしたいのか自社では分からないので、プロのライターに頼めば何とかしてくれると期待して依頼してくるのです。

究極のライティングは、新たな発想・価値の創造

依頼者の要望を十分に理解せず、原文を端的に分かりやすくリライトしたとします。依頼者としては、注文通りの文章を提供してくれたので、納得はしてくれると思います。しかし、原文が自画自賛的な内容・表現だったらどうでしょうか? 自画自賛ほど読者の気分を害する文章はありません。それを端的に分かりやすくリライトすれば、自画自賛が端的に伝わり、読者の気分を害することにより拍車をかけます。

出版や広告の業界では、「どう書くかより、何を書くが大事」とよく言われます。
依頼者は読者(消費者)心理を考慮せず、ライターに依頼しがちです。ライターはそのことをよく知ったうえでこの文章の読者はどんな人たちでどんな特性を持っているか? その読者にこの文章を読んでもらい、どんな心境にさせ何を促したいのか? それらをよく認識する必要があります。それを依頼者から引き出せれば、何を書くべきか自ずと情報の取捨選択ができます。逆に依頼者はライターに要望、その理由を明確に伝えるべきで、どうしたいのか自分でも分からない場合はそのことを正直に伝え、文章の方向性をライターに提案してもらうのが賢明です。

下記は、ライターへの要望をレベルの低い順に示したものです。

【レベル1】
原文または伝えたい内容を、表現や構成など工夫して読者に分かりやすいよう文章化してほしい。
【レベル2】
原文または伝えたい内容を、読者にどうアプローチすればいいか、その段階から考えてほしい。
【レベル3】
文章(作成)の目的は何なのか? 目的を達成するには読者にどんな情報を発信すればいいか? 情報の取捨選択から考えてほしい。
【レベル4】
文章(作成)の目的をよく理解してもらったうえで、新たな価値や意義を創造してもらい、それを文章化してほしい。

上記の要望に応える文章作成の方向性を具体例で説明します。
モノづくり企業A社が、自社の価値を一般消費者に伝える文章にしたいという要望の場合、ライターは以下のような文章作成の方向性を提案するでしょう。※あくまでも一例です。文章の方向性は、依頼者の業界やその現状、依頼者の要望そして依頼するライターの考え方によってまったく違うものになります。

【レベル1】
A社の指示どおり、モノづくりの技術の高さを分かりやすく伝える内容。
【レベル2】
モノづくりの技術の高さの根拠と、その情熱を持つに至ったエピソードを伝える内容。
【レベル3】
技術の高さではなく、発想の豊かさを伝える内容。
【レベル4】
技術力と発想力の高い商品を売る企業ではなく、商品を通じて消費者の日常に笑顔をもたらし、人生を前向きに、後押しする企業であると伝える内容。

いかがだったでしょうか?
依頼者の要望の伝え方、ライターの要望の引き出し方次第で文章内容はまったく違うもの(価値あるもの、価値ないもの)になることをご理解いただければ幸いです。
もちろん起用するライターによって、実力も得意分野もさまざまですので、「ライターの選定からしてほしい」そんな方は、弊社のライターソムリエ、北村守康までご連絡ください。ライターソムリエとは、依頼者の真の要望を引き出し最適なライターに橋渡しする弊社独自の仕事人です。

ライターの仕事は、依頼者から聞いた話や指示されたことを読者に分かりやすく伝える文章を作成することがすべてではなく、それは一手段に過ぎず、最も基本的なことです。最後に私がニュースサイトに、企画提案して取材執筆したインタビュー記事を紹介させていただきます。

ここではニュースサイトが依頼者に当たります。ライターである私の使命はニュースサイトの要望を満たす記事を書くことです。当ニュースサイトに限らずメディアの要望は、目新しくユニークで、社会や時代を反映するテーマを取り扱った内容です。

この記事に登場する二人の女性は、寺のお堂はもちろん公民館やライブハウスなどで仏教に関するオリジナルソングを歌い僧侶として活動をしており、これまで何度もメディアに取り上げられてきました。非常にユニークな活動スタイルなので取材対象になりやすいのです。

メディアに何度も取り上げられている、彼女らの活動スタイルを伝える内容では、いくら新たな情報を盛り込んでも、いくら興味深いアプローチをしても二番煎じの印象は拭いきれません。読者にインパクトを与えるには、新たな切り口が必要です。

彼女らの情報を調べていたところ、二人それぞれの寺が半径1km圏内に位置することに気づきました。この事実、二人を同時に取り上げているメディアは一つもありませんでした。二人のいる地域は、京都市のように寺が点在する人口150万規模の大都市でも古都でもありません。人口減少に悩む小さな田舎町に歌手活動をする女性僧侶が同時出現した「局地的珍現状」として、その謎を検証する内容をニュースサイト編集部に提案しました。これはそれまでに無かった新たな切り口です。先述した依頼者がライターに求める【レベル4】に当たり、新たな価値や意義の創造を編集部および読者に提供したことになります。

https://maidonanews.jp/article/12736138

【関連ブログ】
ライターにあって、非ライターにない観点
https://www.writer.co.jp/ライターにあって、非ライターにない観点/

ライティングは、「どう書く」<「何を書く」
https://www.writer.co.jp/ライティングは、「どう書く」<「何を書く」/

読者目線のライティング
https://www.writer.co.jp/読者目線のライティング/

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