NDA時代、実績が見えない中でのライター選定術
弊社は広告制作会社や企業広報部などのライター案件に対して、ライターの選定から管理、原稿納品までをサービスとして提供しています。仕事の相談を受けた相手(依頼者)から選定候補のライターの過去に手がけた記事を読ませてほしいと相談されることがあります。尤もな意見だとは思うのですが。
企業の広報媒体であれマスメディアであれ、世に出ている記事の多くは、ライターが書いた初稿(最初の原稿)がそのままが記事になる訳ではありません。編集者やクリエイティブディレクターによる修正、広告主からのフィードバックを経て磨かれるのが日常的です。場合によっては、構成や表現が跡形もなく書き換えられていることさえあります。つまり、ポートフォリオに並ぶ華やかな実績だけでは、そのライター本来の「執筆センス」や「思考回路」を正確に推し量ることはできないのです。
また執筆案件は、編集者やディレクターの意図と指示に基づいて書くので、記事にライターの個性が反映されることは少ないです。ライター自身はこんなトーンで、こんな展開を書くのが正解だと考えていても、依頼者の意向や指示が最優先されるので、意にそぐわなくともその依頼に応えざるを得ません。このようなバックグラウンドを知れば、実績として示された記事を読んでも、ライターの筆力や個性を把握したことにならないことがご理解いただけると思います。
しかし、近年厳しくなった秘密保持契約(NDA:Non-Disclosure Agreement)で記事はおろか実際に執筆した案件自体を、第三者に開示しては行けない範囲がより大きく、より厳しくなりつつあります。WEB上のプロフィールはもちろん、自分を売り込むためだけに使うクローズドなポートフォリオ、さらには口頭でも仕事実績を示すことができない、ライターにとって世知辛い時代がすでに到来しています。それは依頼者にも言えます。

実績を示せないライター、確認できない依頼者のジレンマ
秘密保持契約書には、以下のように契約の定義を示す条文が必ず含まれます。
本契約における「秘密情報」とは、開示当事者が被開示当事者に開示し、かつ開示の際に秘密である旨を示した技術上又は営業上の情報、本契約の存在・内容その他一切の情報をいう。
企業の広報媒体の取材をする際には、公式に発表されていない情報や裏話そして本音など、企業として外部に出したくない情報に触れることがあります。それをライターが外部に漏らしては大変な責任問題になります。また、ライターがその仕事を請け負ったこと自体を公言してはならないことも上記条文には含まれます。企業にとって「誰に、いつ、何を、どれくらいの予算で発注したか」という取引の事実は、競争戦略に関わる機密情報そのものです。制作に関わったという事実も、この機密情報の一部と見なされます。
企業であれば取引きをする広告代理店と秘密保持契約を交わし、広告代理店は制作会社と、制作会社はライターとそれぞれ契約を交わします。制作会社とライターが正式な秘密保持契約書を交わしていなくともメールや口頭で忠告されることもあり、またされていなくともライターとして活動する以上、オープンな媒体での記名記事以外、仕事を請け負った事実を公表するのは基本禁止だと留意するのがプロとしてのコモンセンスです。
(制作会社等の)担当者に許可を取るという方法が、対策の1つとして示されることがありますが、クライアント企業に許可を取らず担当者個人の判断で許可していることが往々にしてあるので、かなり慎重になる必要があります。ライターとして自分を業者に売り込みをする場合のみ仕事実績を相手に伝えることは、限定的で情報漏えいのリスクはかなり低く、担当者の許可も得やすいと考えます。しかしその場合であっても、担当者個人の判断である可能性が高く、クライアント企業に許可を取っていないことが何より懸念されます。
上記した契約書の条文がある限り、万一それがクライアント企業に発覚した際は、ライターはもちろん、制作会社、広告代理店が責任を負うことになります。それを考えると、ライターは実績を示せませんし、ライターを探している制作会社はライターの実績を知ることなしにライターを選定しなければならないことになり、非常に判断が難しくなります。
第三者の指示や意向が入っていない記事こそ、その書き手のセンス
実績を示せないライター、ライターの実績を確認できない依頼者は何を根拠にしてライターの選定を決定すればいいのでしょうか? 面談時に秘密保持契約を結べば、ライターの実績(秘密情報)は制作会社から外へは漏れませんが、面談のためだけに契約を結ぶ会社はほぼないと肌感覚で分かります。仮に秘密保持契約を結べたとしても、すでに秘密保持契約をしている相手(制作会社等)からすればライターは情報漏えいしたことになるのは紛れもない事実です。契約を遵守するには、やはり具体的な企業名や媒体名は出さないのが無難ですし理想です。では、どうすればいいのでしょうか?
例えば、自動車メーカーの社内報の取材執筆に10年携わっているとします。企業名と媒体名を示さなければ企業は特定できず、情報漏えいには当たりません。その仕事をするにあたり、どのような難しさがあり、それをどう工夫し、仕事の依頼者(制作会社等)からどのような評価を受けているか等を、内部情報に触れずにライターはプレゼンすることで自身の資質を示すことができます。依頼者は過度な詮索をせずにライターのプレゼンに耳を傾ける、そんな互いの努力と配慮が必要だと私は考えます。
面談だけでなく、メール対応やメールの中身もライターの資質や性格を見るうえで非常に参考になります。必要最小限のことしか書かない人。本題と直接関係ないが、うまく絡めて有益な情報を提供してくれる人。本題とは無関係で、脈略のないことを長々と書く人。少なからず、メール内容や布石の置き方、質問の質、レスポンスの早さはライターの性格や仕事のセンス、姿勢を反映します。
また(会員登録等不要の)誰もがアクセスできるWEBメディアの記名記事や、個人的過ぎないブログ、例えば自分の日常などを紹介するものではなく、興味の対象をテーマ(建築、アート、スポーツ等)にしたブログ記事などは、第三者の指示や意向が入っておらずライターの資質やセンスを知るのに格好の判断材料になります。ライターにとっては最大の営業ツールとなるので、これをしない手はありません。
弊社サイトをご覧いただくと、仕事実績のページがないことに気づくと思います。にも関わらず、仕事依頼の多くはこのサイトを通じて舞い込みます。弊社を選んでいただくための最大の営業ツールは、今まさに書いている当ブログ(ライターソムリエの四方山ブログ)だと考えています。これまでの経験による「ライター選定の考え方」や「ライターのポテンシャルを最大限に生かす方法」などが詰まっており、この会社に頼めば最適なライターを手配してくれると期待し、問い合わせをしてくれるのでしょう。まさに弊社にとって最大の営業ツールです。
ライターは仕事実績を示さず、依頼者はライターの実績を確認することなくライターの資質を探る、これからのスタンダードになっていくと考えます。実績が見えない時代だからこそ、対話とプロセスを重視する弊社が、「ライター案件」を抱える企業や個人のパートナーとして最適な選定をサポートします。
☆↓ライターを探している担当者さま
https://www.writer.co.jp/writer-coordination/
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