現状において生成AIはライターの脅威なのか?
生成AIの普及は、働き方を変え、人々から仕事を奪うと言われており、現役世代にとっては気が気ではありません。ライターに関して言えば、これまでライターに外部発注していた企業が、生成AIを使って自社で文章作成する方針にするところもあるでしょう。
しかし「世の中からライターという職業が無くなる」と考えるのは、悲観的過ぎると思いますし、時期尚早です。現在のAIは生成AIも含め「特化型AI」というもので、人が細かく指示を出さなければ、次の行動に移れません。AIを使う(AIに指示を出す)人に委ねられ、その人の意図や思想に大きく左右されます。
現在のAIをさらに進化させたのがAGI(汎用人工知能)と呼ばれるものです。 AGIは、人間が設定した高レベルの目標や意図を理解したうえで、その目標達成に必要なタスクを自律的に分解し、計画し、実行する能力を持つとされています。早ければ数年後、遅くとも20年以内にAGIが実現されると考えられています。
来たるAGI社会に備えて対策を練るのは、大事なことかも知れませんが、必要以上に恐れることも、慌てることもありません。「AGIが普及すればライターは要らなくなるので、転職しなければ」そのような考えは、あまりにも短絡的です。
そう遠くない未来にAGIがどう社会に組み込まれ、人類とどう共存しているかは、その時が来ないと分かりません。仮にAGIがライター業務をこなすことが常態化する頃には、多くの職業がAGIによってまかなわれ、「人が働く」必要性も無くなり、「職業」という欄が世の中から消えているかも知れません。
文章センスがないと、生成AIは宝の持ち腐れ
上記で述べたように、現在の特化型AI社会において、プロのライターとしてそれなりに活動できている人は、文章生成AIに仕事を奪われるのではないかと、過度に恐れる必要はないと考えます。仕事の依頼者は、その人のライターとしてのセンスや仕事ぶりにプロフェショナルを感じ対価を払うのであって、情報を文章にまとめるという事務的作業に対価を払っているのではありません。生成AIが使える環境であっても、(ライターでない人が)ライターと同レベルの仕事ができる訳ではないので、生成AIに切り替える判断は安易にしないと思います。それを裏付ける事例を紹介します。
生成AI専門家と自ら称する人がいるのですが、その人は盛んに生成AIを使うことの利点を述べ、使えないと時代に取り残されるとしきりに不安を煽ります。セミナー開催を積極的に行い、経営者やビジネスパーソン向けに、文章生成AIの使い方を指導しているので、自身もさまざまな場で使いこなしているはずです。
しかしその生成AI専門家は、場にそぐわない書き方をしがちです。枝葉末節の情報が多く本質が見えづらくなっていて、自画自賛が甚だしく内容や表現が稚拙で、精神的に幼い印象を与え、自滅しています。このことからも文章センスのない人や、一般の感覚からズレている人が文章生成AIを使っても、そもそもの考え方やそれに基づいた指示の出し方がズレているので、逆にそのズレを際立たせる結果になります。悲しいことに、その生成AI専門家はそれにまったく気が付いていません。
特化型AIは、使う人の意図や思想に大きく左右されるので、ライターに依頼していた業務全般をそっくりAIでまかなうような無謀なことを企業はしません。ただし、読者に共感や感動を求めない、SEO対策のための記事(情報を増やすことが目的)や一般論的な解説記事など、事実に基づいた客観的な情報整理を主とする文章作成はライターに依頼せず、AIでやる方向になると思います。何より企業(ライター依頼者)側の生成AIへの関心度や期待度からくる(生成AIの)設備投資の大小でライターへの依頼頻度は変わってくると考えます。
「ライターらしいライター」の原点回帰
この10年、ネットのコンテンツが激増し、それに伴いWEB由来(出版・新聞・広告業界を経ない)ライターが急増し、極端な話、誰でもライターを名乗れる玉石混交とした状況が形成されました。生成AIに取って代わられる仕事とは、WEB由来ライターが最初にするような安価な文章作成や、先述したような事実に基づいた客観的な情報整理を主とする文章作成です。このような文章作成を得意とし、これらの仕事を多くこなしている人は、今後その仕事が激減するかも知れません。
ライターでなくとも誰にでも書けるような文章がこれまで仕事として存在しましたが、これらは生成AIが担うことになり、ライターに依頼する仕事は、ライターにしかできない高度な仕事だけになっていくでしょう。ですので、ライターはこれまで以上に、文章作成のプロフェショナルとして、取材力、執筆力を磨いていく必要があります。生成AIを使いこなすことで、より質のいい仕事をより効率的にできるようになり、スキルの向上も期待できます。
繰り返しになりますが、ライターの文章作成は単に情報を文章にまとめることではありません。その媒体の目的に合わせて、読者の感動や気づき、学びなどを最大限にすることが求められます。そのために大事なのが「何を書くべきか」「どう表現するべきか」「どう構成するべきか」を探る本来の職業ライターとしてのセンスで、それを後押しするのが生成AIの役割です。
そう考えるとライターにとって生成AIは、現時点において決して脅威や大敵ではなく、良き相棒あり懐刀ではないでしょうか。
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