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ライターになった、なれた経緯

子どもの頃から読書が好きだった、作文が得意だったというライターが多いのはごく自然なことです。しかしライターでもある私(最近はライター業をしていませんが)は、読書も作文も大の苦手でした。
そんな私が、「作文は面白い」と思った出来事があります。中学3年生のとき、県大会に進むスポーツ部のキャプテンが一人ずつ大会に向けて抱負を語る校内放送があり、そのコメント原稿を自ら志願して作らせてもらいました(普通はキャプテンが考えるのですが、所属していたバスケ部のキャプテンに代わりコメントを作成しました)。上級生たちが過去に述べた抱負は、みんな通り一遍のコメントで、そこに熱意や思い入れは感じられず応援する気にはなれません。自分ならこんなコメントは絶対しないと以前から思っていました。

作成したコメント原稿は、チームメイト同士で励まし合いながら、高い目標のためにきつい練習に耐えたこと、この県大会は中学3年間をバスケットに打ち込んだ自分たちの集大成であるという「熱い意気込み」と「特別感」を文章にしたためました。あきらかに他の部活とは違うトーンで、教室のクラスメイトたちがその放送を真剣に聞き入るのを肌で感じ取ることができ、鳥肌が立ったことを今でも鮮明に覚えています。そして何よりもうれしかったのは、バスケ部のチームメイトが良い原稿を作ってくれたと喜んでくれたことでした。そのときに、「自分は文章で人を感動させることができる」と勘違いをし、今に至っています。

高校3年生のときに映画の面白さに目覚め、シナリオライターを目指し上京するも30歳を目前に夢破れ、生まれ育った奈良へ帰郷。大阪で飲食店サイトの営業職に就きました。営業成績はすこぶる良く、給料もそれまでで一番良かったのですが、その仕事に遣り甲斐は感じられず、仕事に対しての違和感や嫌悪感は日に日に大きくなっていき、会社を辞めることにしました。文章作成をなりわいとする職を求め、広告や出版関連の会社などに面接に行くのですが、ライターとしての実務経験の無い三十男を雇ってくれるところなどありませんでした。

ある求人情報誌の「私たちと一緒に、雑誌の記事を書きませんか♪ 経験不問 週休2日 月給20万円~」そんな内容の広告文が目にとまり、私はその編集プロダクションへ面接に行きました。結論から言うと、詐欺まがいなことをしているインチキプロダクションでした。面接に来た人に対して、「数ヶ月でプロのライターにしてやるから、授業料として3万円を払え」というもので、勉強と称して情報誌のリサーチなどを無償でさせられました。
面接に来た人の多くは本当に数ヶ月でライターになれると信じ、3万円を支払って、数度通ったのち、幻滅してフェイドアウトしていくのでした。

詐欺まがいと言っても、今思えば“かわいい”ものです。
しかし当時の私にとっては、カモにされている腹立たしい気持ちと、30歳という“男として貴重な時間”を無駄されたことが許せませんでした。
直訴では能がない。この編プロの実態を暴くべく、だまされたフリを装い、社長を慕い、時にはボイスレコーダーを胸に忍ばせ、探偵やジャーナリスト気分でいろいろと情報を引き出し、それを潜入レポートと称して原稿にまとめ、出版社編集部へ持ち込みました。

当時の私は、出版社や編集部に関してまったくの無知で、見当違いの持ち込みをしたのですが、編集部の方々には丁寧にご対応していただきました。最終的には、そのインチキプロダクションをよく知る編集者を紹介してもらいました。
その編プロの所行をメディアで報じてもらい、社会的に抹殺してもらいたい。その思いだけで、正直これからの自分の行く末を考える余裕などありませんでした。

私の潜入レポートを読んでくれた編集者さんは、「とてもよく取材できている」と原稿を褒めてくれたものの、編プロの詐欺まがい行為ぐらいではメディアは取り上げないと言われたのですが、不思議と残念な思いはありませんでした。やれるだけのことはしたという満足感のほうが大きかったのです。
そして、編集者さんから意外な一言が。「ライターになりたいんだったら、ちゃんとした編プロを紹介しますよ」と言われ、その編集者さんのおかけでライターになることができ、ご紹介いただいた編プロのおかげで今の自分、ライトスタッフがあると言っても過言ではありません。

ライターになりたいと思っているときには、ライターになれませんでしたが、その執着がなくなり、無我夢中ですべきことに没頭しているときに、本当に欲しいものが自然と手に入りました。
自己啓発本によくこんなことが書いてありますが、まさにその通り。身を持ってそのことを教わることができ、人生の大きな転機になりました。

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